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『優しい自由主義』を目指して

キーノートスピーカー
山崎元(経済評論家)
ディスカッション
波頭亮、伊藤穰一、團紀彦、南場智子、西川伸一、和田秀樹

ディスカッション

質問者 新しい金融テクノロジーによってバブルが生成されるとはどういうことか?

山崎 お金を任せる側がコントロール出来ないようなお金の任せ方、コントロールが効かない故にお金を任せられた側にはメリットがあるような仕組みは、商売をやっている側からするととても「おいしい」。金融行はそういう「仕組み」を作ろうとする。

質問者 「格差社会」と騒いで格差を縮めようとする政策をとるのは、経済の活力を殺すことにならないか?

山崎 最低限の生活所得は保証する代わりに、あとは全部市場主義型の競争でやる。すべての個人に、生活に必要な最適限度の所得を無条件で与える社会保障システム(ベーシックインカム)を提案したい。

山崎 贈与税を安くして若い世代に金を使わせるなんていう発想自体がもう古い。むしろ相続税を思いきり高くして「金を残しても損だ!」と高齢者に思わせて、金をどんどん使わせるべき。

質問者 過度なマネーゲームだけでなく、企業の営利主義自体まで批判しようという空気が感じられることを危惧している。このタイミングで企業の営利主義を否定して、合理的で契約にも則った雇用調整もままならない社会主義的な方向に一気に傾いていったら、もともと法人税の高い日本に、どれだけの企業が残るのか心配。

山崎 企業に対して、利益追求と社員の福祉の両方を求めることが間違い。基本的に、企業は利益を追求し、個人の福祉とセーフティーネットは政府が用意すべき。