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超高齢社会における日本の将来のありかた

キーノートスピーカー
和田秀樹(精神科医)
ディスカッション
波頭亮、南場智子、西川伸一、山崎元

キーノートスピーチ:目次

1.超高齢社会と長寿社会
 ・ 超高齢社会とは何か。長寿社会と超高齢社会
 ・ 西欧型価値観の限界
 ・ 長寿社会の問題点と超高齢社会の問題点
2.超高齢社会・長寿社会における医学・医療の問題(前回のおさらい)
 ・ 患者層の変化。旧来型の医学の常識が通じない
 ・ 高齢者向けの医療ガイドラインの欠如
 ・ 総合診療医の不足
3.前期高齢者、自立高齢者の問題
 ・ 前期高齢者の機能水準。前期高齢者は何が衰えるのか
 ・ 就労と健康について
 ・ 年齢差別禁止法の発想

和田秀樹氏

4.在宅介護政策の問題点とその対策について
 ・ 在宅介護は日本の美風か?
 ・ 中高年女性の機会を奪う在宅介護
 ・ 施設介護の効率性
5.超高齢社会の経済政策と財源論
 ・ 高齢者の資産について。高齢者の消費について
 ・ 長寿社会、超高齢社会の経済的ライフサイクルについて
 ・ 相続税100%論 。 相続税100%のデメリットとその対応

ディスカッション

質問者 現状を踏まえ、今後の高齢社会に有効な対策は何か?

和田 前期高齢者には雇用。後期高齢者には 高齢者向けの薬物投与のエビデンスを集めて、合理的な治療での医療費削減と施設介護政策の充実させること。財源論は、(60歳を超えて親の遺産を相続する状況を考えると)若い世代に消費税や社会保障料の負担をさせるより、相続税を財源にすべき。

質問者 要介護者が増加していく際の現実的な問題は何か?

和田 要介護者を支える世代の急速な減少だ。今の要介護高齢者を支えている世代は、団塊の世代である。1947年の出生率は4.5、要するに4-5人兄弟が当たり前だった。それが10年後の1957年生まれは 2.0人になる。子どもの数が減ると在宅介護が難しいのは当たり前だ。